2023年はバスケットボールのW杯が日本でも開催され、日本代表が活躍したことにより、バスケットボールの日本での注目度も上がっているのではないでしょうか。今年開催予定のパリ五輪にも出場を決めているため、五輪の舞台で日本代表がどんな活躍を見せてくれるのか、今から非常に楽しみにしています!
今回はそんなバスケットボールってどんな種類があるのかを記事にしてみました。バスケというと5人制のバスケットボールを思い浮かべる方も多いかと思いますが、この機会に色々なバスケットボールについて知っていただけると幸いです。
目次
バスケットボールの種類
バスケットボールにはどのような種類があるのでしょうか?バスケと聞いて真っ先に5人制のバスケを思い浮かべる方も多いのかなと思いますが、バスケットボールというと以下の種類があります。
- 5人制バスケットボール
- ミニバスケットボール
- 3人制バスケットボール(3 x 3)
- 1 on 1
- 車椅子バスケットボール
- デフバスケットボール
- ユニファイドバスケットボール
- ビーチバスケットボール
- ネットボール
- ポートボール
この記事を書いていて私自身も初めて知ったものもありました。次はそれぞれの種類について詳細を書いていきたいと思います。
5人制バスケットボール
スポーツの祭典として知られるオリンピックでは5人制・3人制バスケが公式競技とされており、間違いなく一番メジャーなのがこの5人制のバスケットボールです。
1936年のベルリンオリンピックから正式競技として認定され、そこから数十年の歴史の中で飛躍的に発展を続けてきたバスケットボールです。特に1992年のバルセロナオリンピックでは、アメリカがNBAのスター選手を集めて「ドリームチーム」を結成し、圧倒的な力で金メダルを獲得して全世界から注目をあびました。
日本でも2016年からBリーグが始まり、非常に盛り上がっているバスケットボールといえます。
ルールなど詳しくは別の記事にしていますのでそちらも参照してください。
ミニバスケットボール
ミニバスケットボールは、5人制の通常のバスケットボールで使用するボールよりも小さいボールを使い、狭いコートで試合が行われるバスケットボールです。通称「ミニバス」と呼ばれます。
ミニバスケットボールは国際バスケットボール連盟ミニバスケットボール部門の管轄下にあり、日本ミニバスケットボール連盟(中学部活動と地域クラブチームが加盟)、日本バスケットボール協会、朝日新聞社が大会を主催しています。
1970年に京都府でミニバスケットボール大会が開催され、それが第一回全国ミニバスケットボール大会となりました。
日本では12歳以下の小学生によるバスケットボールのことですが、国際バスケットボール連盟のミニバスケットボール部門が管轄する試合では11歳以下の年齢制限があります。
主な特徴、ルールは以下の通りです。
- コートは縦22~28m、横12~15mで、ボールは5号球を使用し、リングもコートから260cmの位置に設定されています。
- スリーポイントシュートはありません。、シュートはすべて2点で、ファウルによって行われるフリースローによる得点は1点です。
- ボールをバック・コートに返すヴァイオレイションや8秒ルールが適用されません。
- 4クォーター制で、10人以上の選手が1クォーター以上2クォーター以下のゲーム時間をプレーする必要があります。
3人制バスケットボール(3×3)
3人制バスケットボールは「3×3」と書かれ、「スリーバイスリー」と読みます。
1990年代にアメリカを中心にストリートバスケなどで普及していた流行した「3on3(スリー・オン・スリー)」を発祥として生まれたスポーツです。現在はFIBA(国際バスケットボール連盟)の公式競技として推進されています。5人制バスケットボールよりも選手が減り状況が大きく変わるため、5人制バスケットボールとは違った見方が楽しめます。
2021年に開催された東京オリンピック大会でも正式種目として採用されるなど、最近一番アツくなってきているバスケとも言えます。
日本では全国各地で大会が開かれており、初心者から上級者までに対応した4つの大会を設け、プレーヤーの裾野を広げています。
私が好きな横浜ビー・コルセアーズのキング・開選手も日本代表として活躍している競技です。今まで5人制ばかりを観ていたので、これからは3 x 3も色々調べて追っかけていきたいと思います!
1on1
オフェンスとディフェンスが1対1の攻防戦を繰り広げる試合です。1on1(ワンオンワン)と呼ばれます。1on1では個人の能力によって結果が左右されるので、5人制バスケや3人制バスケとは違う楽しみがあるバスケットボールです。
通常の5人制バスケなどの試合中で起こる1対1のシチュエーションを指すこともあります。その場合は、ポジションに関係なく起こりうるもので、そこでうまく相手を抜いたりボールを奪ったりすると、得点につながったりその後の展開が有利になります。
車椅子バスケットボール
オリンピックと併せて開催されるパラリンピックでもバスケットボール競技があります。パラリンピックで実施されるバスケットボール競技は通称「車椅子バスケ」とも呼ばれ、車椅子を操作しながら得点を競うスポーツです。1960年に開催された第一回ローマパラリンピックで公式競技となっており、夏季パラリンピックの花形種目として人気を誇っています。
国際車椅子バスケットボール連盟(IWBF)が中心となって行われており、1949年に全米車椅子バスケットボール協会が設立され、IWBFアメリカ、IWBFヨーロッパ、IWBFアジア・オセアニア、IWBFアフリカの5つの地域団体を統括しています。
通常の5人制バスケットボールと同様に巧みなパスワークやドリブルワークが必要となりますが、そこに激しい車椅子での攻防が加わります。コートのサイズやボールの大きさ、ルールなどはFIBA規則とほぼ同様のルールが採用されていますが、車椅子バスケットボールにのみ適用される基本ルールもあります。
選手が抱えている障害に応じて持ち点も変わります。障害の重度に応じて1.0から4.5までクラス分けがなされ、コート上のプレーヤーの点数が14.0以下に制限されるため、チーム構成も戦略の大きな一部になります。こういった車椅子バスケットボール特有のルールが奥深さにもつながっているように感じます。
通常の5人制バスケットボールとは一線を画すほどの熱を帯びており不動の人気を集めている競技です。
デフバスケットボール
ろう者(聴覚障害者)によるバスケットボールをデフバスケットボールと呼びます。聴覚の約75%を失いながらもNBAでプレーしたランス・オーレッド選手によって、広く認知されるようになったバスケットボールです。
主な特徴としては、競技中の音が聴こえない、聴こえにくい状態でバスケットボールをプレーします。そのための措置として、試合中にコートの対角にフラッグマンを設置し、審判やオフィシャルのブザー音とともに目立った色の旗を振ることにより、視覚的に状況を判断できるようにしています。
デフバスケットボールは、国際バスケットボール連盟の支援を受けて設立された国際デフバスケットボール連盟(DIBF)が中心になって運営をしています。1985年に開催されたデフリンピック・ロサンゼルス大会から正式種目として採用されています。デフリンピックや世界デフバスケットボール選手権大会などの国際大会試合は、聴力の良いほうの耳の聴力の平均値が5.5db以上が参加資格となっています。健聴者の参加も認められる国内大会もあります。試合中は選手は補聴器の使用が禁止されています。
デフバスケットボールには特別なルールはありません。
日本では、全国各地で様々なチームが活動しており、市民大会に出場するなどで技術のレベルアップを図っています。日本デフバスケットボール協会(JDBA)で主催している競技大会は、全日本デフバスケットボール選手権大会があります。また、全国デフバスケットボール選手権大会(通称ミミリーグ)は、聴覚障害者だけではなく、聴者も参加することができる大会として毎年3月に開催しています。
各地域では、デフバスケットボールの普及・発展を目的として、3on3やミニクリニック等、気軽にバスケットボールに触れ合い、楽しめるイベントから、聴覚障害を持つ子どもと聴こえる子どもたちがバスケットボール学びながら交流を目的とした教室がを開催されています。
デフバケットボールの国際大会としては、デフリンピック、世界選手権大会があり、それぞれ4年に1度開催されています。日本はそれぞれの大会にデフバスケットボール日本代表を派遣しています。日本代表としては、活躍している選手の中からトライアウトを経て代表選手を選出しています。
スポーツをやっていた身としては、聴覚は自分が思っている以上にプレー中に重要な感覚だと思うので、デフバスケットボールには非常に興味を持っています。機会があればデフリンピックなど深掘りする記事を作成しながら勉強していきたいと思っているバスケットボールです。
ユニファイドバスケットボール
ユニファイドバスケットボールは、知的障害のある方に向けたバスケットボールです。スペシャルオリンピックスが大会を開催し、そのルールも基本的には公式バスケットボールのものが採用されています。
世界大会も実施されるなど、老若男女だけでなく障害の有無に関係なく幅広い方たちがバスケットボールを楽しめる世界となってきています。ユニファイドバスケは世界中で展開されており、スポーツを通じてお互いを理解し合い支え合う関係を築いていく活動として注目されています。
ビーチバスケットボール
ビーチバスケットボールは5人制バスケットボールから派生したビーチスポーツの一つです。円形の砂浜のコートで得点を競い合う競技で、屋外で行うため、風や砂浜の条件などでプレーが変化する点も面白さのひとつです。
ビーチバスケットボールは、1980年代にアメリカのアラバマ州の体育教師フィリップ・ブライアントさんによって考案されました。世界ビーチバスケットボール協会(WBBA)が発足し、世界選手権が行われる規模に成長しているバスケットボールです。
主な特徴は以下の通りです。
- 円形の砂浜のコートで行い、バックボードのないゴールを使用します。
- アウト・オブ・バウンズはありません。
- 円の内側からのシュートは2点、外側からのシュートは3点となります。
- 砂上ではドリブルができないため、ボールの移動はすべてパスもしくは2.5歩のステップで行います。
など、5人制バスケットボールとは若干異なるルールで行われます。
ネットボール
1890年代に女性向けバスケットボールとしてイギリスで誕生した競技です。7人1チームで行ないます。
1963年から、4年に1度のネットボール世界選手権が開催され、2011年には60以上の国の代表チームが参加する国際競技として認知されるまでになりました。現在ではイギリス連邦諸国を中心に70を超える国と地域でプレイされており、競技人口は2000万人を超えています。
日本では1990年に、神山雄一郎さんが研究先のオーストラリアから持ち帰り紹介・普及を始めました。1999年から日本選手権が開催され、徐々に競技人口を増やしています。 現在は、東京都および群馬県を中心に普及が促進されており、全日本チームも結成され、アジア大会出場を果たしています。
主な特徴は以下の通りです。
- 7人対7人で試合を行います。
- コートは大きく3つに区切られ、ポジションごとに役割とプレー範囲が決められています。プレーする選手は、どの動く範囲を示すゼッケンをつけてプレイします。
- ドリブルは禁止です。
- ホールを持っている選手から足元90cm以上の距離を取る必要があります。
- 接触プレーはバイオレーションとなります。そのため、選手同士の激しい接触は発生せず、体力・体格に応じてポジションを選ぶことで、老若男女を問わず生涯スポーツとして楽しめる競技となっています。
- ゴールはバックボードのないものを使用します。
- コートの大きさは年齢に合わせた規定があります。
- ボールはネットボール用の5号球を使用します。
- チームは12人編成で、選手の交代枠の制限はありません。
私はこの記事を書く際の調べ物で初めてネットボールを知りました。老若男女が楽しめるというところが非常に素敵だなと感じています。体力が落ちてきているのを切に感じるので、機会があればやってみたい、観てみたいと感じました。
ポートボール
ポートボールは大阪府堺市が発祥と言われている日本発祥の球技です。もともとはバスケットゴールがない学校でもバスケットボールを楽しめるようにということで考案されました。体育の授業やレクリエーションで親しまれている球技だと思います。私も小学生の体育の授業でめちゃめちゃ好きだった記憶があります。
パスを回して敵陣のゴールに向かっていくのはバスケットボールやサッカーと似ていますが、最も違うのはゴールの代わりに、台の上に乗ったゴールマンという役割の人がボールをキャッチすると得点となる点です。俊敏性や肩の強さ、ドリブルのテクニックといった個人技と、バスケットボールやサッカー同様に戦略性を持ったポジション取りや連携プレーが必要な競技です。
主な特徴は以下の通りです。
- ゴールマン1名、ガードマン1名、プレーヤー5名の計7名で1チームで7人対7人で行います。
- 試合時間は1クォーター5分×4回の4クォーター制です。
- コートは縦25m、横12~14mで地域によって異なることがあります。
- ゴール台を中心とした半径2.5mの半円はガードゾーンと呼ばれます。これはガードマンというポジションの選手がプレーする範囲で、このラインを超えてシュートを打つと相手にフリースローを与えることになります。
- ゴールマンはシュート台の上に立ち、シュートをキャッチする選手です。 ゴールマンがキャッチしないと得点になりません。
- ガードマンはガードゾーンで相手のシュートの邪魔をする守備の要の選手です。また、シュートを入れられると、ガードマンはスローインをしなくてはならないため、次の攻撃の指示を出すことも求められます。
- プレーヤーはパスやドリブルでボールを敵陣の奥に運びシュートを放つオフェンスと、相手プレーヤーが自陣に進入してくるのを妨げるのディフェンスの両方を行う選手です。
- ゴール台の大きさは高さ42cm × 幅40cm × 長さ50cm です。
- 試合球のサイズは65~67cmで、ポートボール用のボールとして専用の試合球が販売されています。
- ゴールゾーンおよびガードゾーンにてバウンドしていないボールをゴールマンが完全に捕球した時に得点が成立します。
- 通常のプレーの流れの中で放ったシュートで成立した得点は2点、フリースローで成立した得点は1点です。
まとめ
バスケットボールの種類、および、バスケットボールから派生した競技を紹介しました。
人数をけることにより競技性を変えたものや、障碍者の方にも楽しめるように発展した競技、そして、場所ややりやすさ、安全性などを考慮して派生した競技など、様々なものがあることがわかったのではないでしょうか。
どうしてもバスケというと5人制バスケットボールのイメージがよぎるかもしれませんが、これを機に色々なバスケットボール競技に興味を持っていただき、より一層バスケットボールが日本で盛り上がってくれるきっかけの一つになれば幸いです。