2021年の東京五輪では女子が準優勝し、2023年にはワールドカップが日本でも開催され、男子日本代表が自力でパリ五輪の出場権を勝ち取るなど、最近日本のバスケットボールの熱気を感じます。
さて、今回は、そんなバスケットボールに興味を持った方向けに、バスケットボールでよく耳にするポジションについて解説したいと思います。
目次
バスケットボールのポジションの名称
まずは、どれくらいポジションがあるか、です。
バスケットボールは5人対5人でプレーしますが、実は1人1人の役割が決まっており、かなり異なっています。最近ではどんなポジションでも3Pシュートを決めたりとそのマルチなプレイヤーが増えているとは思いますが、まずは基本をおさえておきましょう。
バスケットボールには主に以下の5つのポジションが存在します。そして、それぞれのポジションには呼び名として番号がついています。(背番号とは違います。)
- ポイントガード(PG) 1番
- シューティングガード(SG) 2番
- スモールフォワード(SF) 3番
- パワーフォワード(PF) 4番
- センター(C) 5番
主にプレーするエリアから、1番から3番は「アウトサイドプレイヤー」、4番と5番は「インサイドプレイヤー」と呼ばれることもあります。
チームの戦略、戦術によっては同じポジションのプレイヤーを複数出場させたりする場合もありますが、基本的には各ポジション一人ずつの5人チームがバランスが良いとされています。
それでは次に各ポジションについて解説していきます。
1番 ポイントガード(PG) ~ コート上の監督
ポイントガードは、チームの司令塔として指示を出す役割を担っており、チーム全体のオフェンスやディフェンスの指揮をとる、まさにコート上の監督の役割を担う大事なポジションです。状況に合わせ、オフェンスとディフェンスのバランスを判断し、瞬時にコート上で指示を出すことで、プレイ中にチーム全体の意思統一を図るのがポイントガードの役割です。
自ら得点を狙うケースもありますが、バックコート(自陣)からフロントコート(敵陣)にボールを運んだり、基本的にはドリブルとパスが主体となります。そのため、背が低くスピードがありテクニックに優れたプレイヤーがこのポジションでプレーすることが多いですが、最近では大型化も進み、ある程度の身長が要求されるケースも増えてきています。日本では170センチ~180センチ台のプレイヤーが多い印象です。
このポジションには、監督とチームメイトとのコミュニケーション能力や、敵陣へとボールを運ぶボールハンドリング、敵ディフェンスの穴を見つけて正確にパスをする能力や、ゴールに向かって鋭いドライブをして効率よく得点をあげる能力など非常に多岐にわたります。
性格的には、自分の意思を相手にしっかり伝えられたり、相手チームと自チームの状況を迅速に分析して戦術を選択するクレバーな人が向いていると思われます。
2番 シューティングガード(SG) ~ チームの点取り屋
シューティングガードはセカンドガードと呼ばれることもあり、場合によってはポイントガードと同じ役割を担うこともありますが、主に3Pシュートなどのアウトサイドシュートやドライブからの得点を奪うなど、得点能力が求められるポジションとなります。
バスケの神様のマイケル・ジョーダン選手など、バスケットボールの中で最も花形のポジションと言えます。
バスケットボールはゴールに近いインサイドからのシュートが最も得点効率が良いため、常にどのチームも原則インサイドからの得点を最優先で防ごうとします。しかし、インサイドのディフェンスを固めた場合、アウトサイドのディフェンスが緩くなることがあり、シューティングガードはそのスキをついてシュートを決めることが求められます。また、場合によってはゴールに向かってドライブしていくことも求められます。
ポイントガードのサポートとして敵陣にボールを運ぶ役割もあるため、高いハンドリング能力が必要とされます。そのため、日本国内では、180㎝台のプレイヤーが多い印象です。
3Pシュートはインサイドからのシュートよりも成功率は落ちるため、トライする気持ちもとても重要です。日々の練習で精度を上げ、自信を持って試合にてシュートチャンスで何度も挑戦する意気込みが必要なポジションだと思います。
3番 スモールフォワード(SF) ~ オールラウンダーのエース
スモールフォワードは、ペイント内や3Pラインの近辺など双方で得点を奪う役割で、チームのエースがこのポジションを担うことが多いです。インサイドとアウトサイドの両方をこなす必要があるため、スピードだけでなくパワーも必要となるオールラウンダータイプの選手が担うポジションです。
パスを受けて様々なエリアからシュートを狙う他に、ディフェンスのマークを外してシュートを狙う、1on1を制して得点をあげるなど、独力でチャンスメイクしてチームに貢献することが求められます。
最近では3Pシュートの成功率の高さが必要となっている傾向があり、3Pからの得点、3Pと見せかけてのパスやドライブなどの多彩なオフェンスパターンを展開するキーマンにもなってきています。日本国内では、180㎝~190㎝台のプレイヤーが多い印象です。
多彩な攻撃パターンをもつ必要があり、ディフェンスの裏をついてチャンスメイクすることが求められるポジションのため、ゲームや相手ディフェンスの状況を見て、相手の裏をく判断力とスキルを持つ人がこのポジションでは活躍できるのではないでしょうか。
4番 パワーフォワード(PF) ~ チームの戦士
パワーフォワードは、主にミドルレンジやゴール下で得点を奪ったり、リバウンドを取ったりする役割となるため、フィジカルの強さが必須で、一般的には身長の高い選手が担うポジションです。パワーが無くては活躍することは難しいポジションです。
日本人としてNBAで活躍している八村塁選手もこのパワーフォワードのポジションで、日本国内では、190㎝~200㎝程度のプレイヤーが多い印象です。
パワーフォワードといえば、リバウンドを取ることが非常に重要な役割でもあります。ゴール周辺でプレイすることが多く、リバウンドを取る機会が多くなるため、相手のオフェンスを止めたり、味方のオフェンスを継続させたりと、ゲームの勝敗に大きく関わるからです。
また、味方がドライブをしかけやすいように、パワーフォワードが3Pエリアに出てきて、相手選手を外に引きずり出すために、3Pシュートを狙うこともあるため、単純にインサイドだけで勝負をかけるようなポジションでもありません。
ただし、やはり主戦場はインサイドであるため、リバウンドやインサイドシュートで相手に負けないためのパワー、体のぶつかり合いを恐れない勇気を持っていることが重要になるポジションとなります。
5番 センター(C) ~ チームの大黒柱
センターは、相手との接触が非常に多いポジションで、最も背が高くパワーのある選手が適しています。リバウンドやディフェンス、ポストプレーなど、インサイドにおけるオフェンスとディフェンスを担当する役割となるため、ポイントガードと同じくらい、勝敗に関わる重要なポジションと言われています。日本国内では200㎝台のプレイヤーが多い印象です。
また、ゴール近辺でセンターがボールを持つと、相手のディフェンス全体がインサイドよりに縮まるため、このときにできたノーマークの味方に的確にパスを通す能力も求められます。もちろん、インサイドシュートを高い確率で決める能力や、リバウンド能力も必須です。
センターは狭いインサイドで体をぶつけ合いながらプレイする場面が多いため、体の強さと、ぶつかり合いを恐れない勇気が必要なポジションです。周りの動きを冷静に見て、自分のマークが厳しくシュートを決めれない場合には、味方を信頼して有利な状況を作り出す能力も重要となります。
まとめ
今回は、バスケットボールのポジションについて解説してきました。
バスケットボールには解説した通り5つのポジションがあり、それぞれの役割や特性を理解することで、バスケットボールをさらに楽しめるようになります。今後バスケットボール観戦を始めようと思っている方も、今回の解説を頭の隅に置きながら観戦いただき、一つ一つのプレイを楽しんでもらえたら幸いです。